相続放棄①相続放棄をしようと思ったけれど・・・

ご相談内容

大阪在住のAさん、Bさんが事務所に相談に来られました。

A、Bさんは相続放棄をしたいとのことです。よく話を聞いてみると、半年前にお父さんが亡くなられたそうです。お母さんとは離婚していて、相続人はAさんと妹のBさんの2人だけだそうです。

先週にサラ金業者2社から借金支払いの督促があったそうで、A、Bさんはお父さんがサラ金業者から借金をしていたことなんて、全然知らなかったそうです。

借金の金額は2社合わせて500万円で、とても返済できる金額では無いそうです。

それで相続放棄をしたいということになったそうです。

  1. 相続開始後3ヶ月を経過していますが相続放棄をできますか?
    できる場合もあります。くわしくは事例集『相続放棄③ 3ヶ月が過ぎてしまっていますが・・・』に書いてあります。そちらをご確認下さい。

A,Bさんの場合は熟慮期間の3ヶ月を超えてしまっている上に、不動産の相続登記を済ましていますので、もはや相続放棄はできないものと思われ今後の対応について相談いたしました。

場合によっては不動産を売却して借金を返済しなければならない旨を説明し、サラ金業者へ取引履歴の開示請求を行いました。

今後はこのサラ金業者の債務整理を中心に進めることとし、相続財産にはあまり手を付けないように説明し、本日の相談は終了しました。

後日、A、Bさんに事務所に来ていただいて話をしましたが、なんと、サラ金業者2社分の借金が110万円程の過払い金となっており、逆にA、Bさんが請求できる立場になっておりました。

前回はうなだれて、どうしようと青ざめて帰って行ったA,Bさんでしたが、今回は元気いっぱいで帰って行かれました。

総括

誰にでも起る、とても身近な相続問題ですが、一つ間違えれば大変な事態を招きます。

本件のように借金が一転して過払い金債権に代わったから良かったものの、借金をそのまま相続していれば自分の生活へも影響を及ぼし、極端な場合は自己破産しなければならない事態にまで至ります。

相続が開始し、問題が起きればできるだけ早くに専門家にご相談下さい。