用語集【か行】

旧民法時代における「家」制度の下での相続の種類で、戸主たる身分関係の相続のことを言います。家督相続では一人の家督相続人が、前戸主の一身に専属するものを除いて、一切の権利義務を包括的に承継しました。

旧法では、相続には戸主の地位を承継する家督相続と、それ以外の遺産相続の2種類がありました。

家屋の評価は、その家屋の固定資産税評価額が相続税評価額となります。固定資産税評価額が付されていない家屋の相続税評価額は、その付近の家屋を参考にして評価します。

遺産分割方法の一種で、遺産を売却等の処分をした上で、各相続人がその代金を分ける遺産分割方法。他に、現物分割・代償分割があります。

相続税が課税されない財産額の範囲。相続税は、この基礎控除額を超える相続財産に対して課税されることになります。

共同相続人全員が協議して、合意の上で、遺産の分割方法を決めることです。共同相続人全員で行わなければならず、1人でも遺産分割協議に参加しない者がいる場合には、遺産分割協議は成立しません。

共同相続人のうちのひとりが、被相続人の財産の維持や増加に特別の貢献があった場合、共同相続人間の実質的公平を図る為、相続財産の一定割合または金額を相続財産から控除して特別の貢献を行った相続人が受け取ることができる相続財産のことです。

寄与分については、基本的には相続人同士の協議によって決めることとなります。協議がまとまらない場合は、寄与者が家庭裁判所に調停または審判の申立を行って決めてもらうこともできます。

遺産分割方法の一種で、遺産そのものを現実的に現物を分割する方法です。他に、代償分割・換価分割があります。

家庭裁判所が遺言書の形式や内容等を確認し、偽造・変造等を防ぐ手続き。公正証書以外の方式による遺言書は家庭裁判所に提出して、この手続きを受けなければなりません。

被相続人から承継する相続財産を限度として、相続債務または遺贈を弁済する相続の方法。相続財産のうち、プラスの財産やマイナスの財産がどの程度あるかわからない場合に、この限定承認をすればよいことになります。

証人2人以上の立会いの下、公証人に遺言内容を口述して筆記してもらい、公証人が遺言者及び証人に遺言内容を読み聞かせ又は閲覧させ、遺言者及び証人が筆記の正確な事を承認したのち、署名・押印して、公証人が、その証書が公正証書遺言作成方式に従って作成されたものである事を付記して、署名・押印することで作成されます。

公正証書遺言は、公証人役場に保管されますので紛失の心配がないことや、公証人が関与することで、形式的な不備により無効となったり、意味不明なため後日紛争が生じることがほとんどないことなどがメリットとされています。

当初の申告額よりも税額が少なくなる場合に、納税者が申告税額の訂正を請求することです。原則として申告期限より1年以内に行う必要があります。 相続税の申告期限までに遺産分割が成立しなかった場合(未分割)は、法定相続分通りに分割したものと仮定して相続税の申告をすることになりますが、その後遺産分割が成立して、負担する税額が減少することとなった者は、遺産分割が成立してから4ヶ月以内にこの更正の請求をしなければなりません。

旧民法の「家」制度のもとで、家にはその家長としての身分を持つ戸主がおり、戸主には家の統率者として家族に対する私法上の一定の権限と義務(戸主権)が定められていました。民法の応急的措置法の施行に伴って「家の制度」が廃止されたことに伴い戸主の制度も消滅しました。

戸主の権利義務については次の事が認められていました。

家族に対する権利
①家族構成員の家籍変動に対する同意権、②居所指定権、③家籍から排除する権利、
④廃家をする権利、⑤隠居をする権利、⑥家督相続人廃除権、⑦家督相続人指定権、
⑧遺産相続権

家族に対する義務
家族(同籍者)を扶養する義務